もう少しで桜も咲く時期になりましたね。マスクをして見る桜も3度目です。
同じウイルスではないですが、「100年前のスペイン風邪は、2年間で3度の波があった」という記録をみました。
ICT(情報通信技術)の進歩によって、ある程度は人々が直接接する機会を制限したり、ワクチンも短期間に開発できたりしたものの、社会システム全体で評価したウイルス増殖能の方が、遥かに上回っていたわけですね。知能を持っている人間が、知能らしきものがない生物(生物とも言えないタンパク質の衣をまとった核酸物質)にこれだけ脅かされることが信じられない気分です。
ウイルスは外の世界に置かれたら、紫外線や金属などのイオン化現象などにより、自然に分解してしまいます。もちろん特殊な環境で保存される場合もあるのかもしれませんが、生物内であれば、その維持に必要である特殊な環境が完璧に揃っており、生き物の中に常に存在していて、ときどきアウトブレイクしながら、ずっと生き物の中で変化していると考えるのは自然です。発症するかどうかは別として、ウイルスを保有している生き物が常にいると考えると、人もその保有生物の一つであることは確かですね。
現在、ヒトを構成する臓器細胞一つ一つのゲノムを読みながら、人間の37兆個の細胞をゲノムレベルで再構成する「ヒト細胞アトラス」や腸内細菌叢などの研究が進んでいますが、その次には、ウイルスを含めた生物アトラスを作成するプロジェクトにつながっていくのかな、と最近は思っています。